S-アデノシルメチオニン (SAMe)天然の抗うつ剤

2024-11-29

S-アデノシルメチオニン について、近年の研究では、老化に伴う体の退行性変化に焦点があてられています。老化に伴うエストロゲンやDHEA、テストステロン量の減少が最近、注目されています。

フリーラジカルとたたかう抗酸化物質の体内生成量も、年齢とともに減少します。減少した分を補い、ホルモンや抗酸化剤を若い頃のレベルに戻すために、多くの人がサプリメントを摂取しています。いまでは多くの研究者が主張していますが、歳をとると補充しなければならない化合物があります。それがメチル基です。

メチル基はメチル化(有害なアミノ酸のホモシステインが、有益な化合物メチルに変化する)を促します。年齢に関係なく、ホモシステインが増加すると心臓病やがん、うつ病、関節炎や奇形児出産などの危険が高まります。

ビタミンBの葉酸やビタミンB12トリメチルグリシンなど、メチル化を促す化合物は数が限られています。メチル化によってSAMe (年齢とともに減少するメチオニンの代謝によってできる物質)が増加します。

SAMe は眠りと目覚めのサイクルを司るメラトニンの合成にも不可欠です。また、DNAの突然変異(がんの原因となるを防ぎ、末梢神経を酸素の欠乏によるダメージから守り、有害なホモシステインを非活性化する効果もあります。SAMeはまた、抗うつ作用があることでも知られており、処方薬と同様の効果があるうえ、不快で危険な副作用もいまのところ報告がありません。

「アメリカ精神医学」誌に発表された研究では、一般的なうつ病の患者10人にSAMe を3週間投与し、精神鑑定を行ったところ、精神状態が50%も改善されました。

SAMe は骨関節症に伴う痛みをやわらげる効果が高いことでも名をあげており、イブプロフェンと同様の薬効があります。2年間にわたって行われたドイツの研究では、膝や背部、脊柱などに骨関節症の症状がある180人を対象に、毎日600 mgのSAM eを与えました。

2週間後、関節部の痛み、とくに朝方の関節のこわばりや、関節を動かした際の痛みが軽減しました。少数に軽い副作用が見られたものの、治療の中止に至るほどの重い副作用はありませんでした。

ヨーロッパで行われたいくつかの研究結果によると、SAMe が線維性筋痛症(不特定箇所に痛みや疲労を感じる不可解な病気) による関節の痛みやうつ状態を抑える効果があるそうです。

線維性筋痛症には治療薬がないため、多くの患者が補酵素 Q10 やブドウ種子抽出物、緑茶抽出物が配合された複合剤などの天然療法に切り替えています。繊維性筋痛症の人は医師に相談してみてください。

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ア行SAMe

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